暑い夏がはじまって、下半期いちばん最初にみた映画。とっても楽しみだったから公開まで長かったけど、あっという間だったような。
story...近未来のロサンゼルス といっても今より少し発達してるくらい。他人に代わって友人や恋人への手紙を書く代筆ライターのセオドア。離婚調停中の妻あり。人工知能型OSのサマンサに恋をする。
この映画の全体の色のイメージはジュース・バーだそう。
Band of outsidersのトマトレッドのみたいなシャツ、ビーチのシーン、セオドアのオフィスなどパッションフルーツのような色味。
私は、パキっと強すぎる色味が苦手だけど、暖かみのあるフルーツ色のユートピアは理想的。
暖色カラーの心地よさそうな世界の、少し発達しているテクノロジーと、ぼんやり流れてくるセオドアの孤独。
スパイク・ジョーンズのインタビューでは、
実体をもたない人工知能型OSとの恋愛だけど、
他者と関係を築いたり、関係を保つ時にでてくる(want )(need )(fear)などの感情が1番のテーマとなっていると読んでいたとおり、
ふわふわとした幸福感や、ちくりとする痛みとか、それ知ってる!というのも多かったです。
彼女を左のポケットに入れて行くデートなんてすごく楽しそう!
印象に残っているシーンは、セオドアが
自分は人生の中で、味わう感情を全部経験し尽くしてしまって、新しい感情はなくなっちゃったのではないか。
この感情は今までの感情の劣化版ではないか
と、そんな感じのことをサマンサに言うところ。
自分のリアルな感情が行方不明になりわからなくなってしまって、心の小さな穴に落ちてしまう感覚
「感情の劣化版」という言葉が強く残りました。
その他にもたくさん頭に残る言葉が多く、それと一緒にひっかかる感情も多いくて
「人間って複雑ね」とサマンサが言うように複雑だなあと思いました
私は人間は誰とでも何とでも恋に落ちることは可能だと思っていたので、人工知能との恋愛を通して、監督の言うメインテーマの感情を見るのが楽しみだったんだけど、
意外に観たあとには、観る前よりテクノロジーと人間について考えていたなあと思います
よく、進化したテクノロジーによって人との関わりが希薄になる云々は、その通りだなと思うんだけど、この映画はそういうのに感じなかった
どうしても昔に戻ることは絶対できないし、
かといって、人間は心と体を完全に分離することはできなくて機械にも絶対になりきれない。
それってなんて孤独なことだろうと少し悲しくもなりました。どちらにも行けない。
サマンサのようにどこへでも行けて、柔軟な思考で、しかも深く愛することもできる、ぐんぐん進化するアップデートの様子を見ているとちょっぴりそんな風に私は思いました。
サマンサが肉体をもつ人間にはなれないけど「私は私」と思ったように
人間も機械には絶対なれなくて誰かと融合することもできない。自分は自分。
そんなことを感じるラストショットが美しくもあって、ほろ苦かったです
Arcade FireとOwen pallettの音楽は、ピアノとかの音と電子音が合わさってすごく繊細で美しかったので、
あんまりめんどくさい映画好きじゃないって人でも、何となくストーリー追って、合わせて音楽を聴くだけでも良いと思う!
アカデミー賞でエズラと歌ってて、わぁーとなったカレン・Oの「The Moon Song」もとびっきり素敵だし
肉体をもたない彼女との記念撮影で流れるシーンの曲が、私は1番印象深くて、本当に素晴らしくて大好き!
この前読んだOwen pallettのインタビューも面白くて、彼の繊細さがこういう音を作るんだなと映画と合わせて見れてよかったです。
あと
へなへなしている字が可愛くてTシャツもうっかり買いました。セオドアを真似してハイウエストなパンツに合わせて着たい。小物をジュースバーカラーで合わせたら、より映画の世界に浸れそうなのでトマト色の靴下が欲しいなあと思います。
へなへなしている字が可愛くてTシャツもうっかり買いました。セオドアを真似してハイウエストなパンツに合わせて着たい。小物をジュースバーカラーで合わせたら、より映画の世界に浸れそうなのでトマト色の靴下が欲しいなあと思います。
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